相続放棄の申述の有無についての照会
長いあいだ疎遠の伯父さんが亡くなったとのことで貸金業者から支払いの請求が来たのですが…という相談がありました。
詳しく聞くと
父親を早くに亡くした依頼者は、親戚付き合いもなく過ごしてきたが、会ったこともほとんどない、父親の兄が最近亡くなったので、その伯父さんの相続に関して代襲相続人として請求が来たのだろうと推測できました。
この場合、依頼者は第三順位の相続人であり、第一順位の子ら、そして第二順位の祖父母らが先死亡もしくは相続放棄していることが前提になります。したがって、それらが確認できてから、本人の希望により相続放棄の手続きを進めることになります。
ここで問題になるのが、先順位の相続人が相続放棄をしたかどうかの確認です。
親戚付き合いがあれば、直接連絡を取り、確認できますが、そうでない場合も実際のところ多いです。こういった場合は、家庭裁判所に照会申請書を提出し、その回答を待つことになります。電話では教えてくれません。印紙は不要(無料)ですが、戸籍謄本等添付書類の提出が必要です。そして、具体的に先順位者の名前を記入し、その人の相続放棄申述書が受理されているのかを確認します。
この照会の結果、相続人であることが確定したら、相続放棄の検討を始めます。3ヶ月間の熟慮期間の起算時もこの結果を知った時からです。借金だけでなく、プラスの財産も遺されている可能性も考慮しつつ判断していただきます。
なお、今回のような貸金関係で、第三順位の相続人まで請求がくるのは非常に珍しいです。多くの業者は第一順位の相続人が相続放棄をしたことを確認した段階で回収を諦めて、損金処理をするからです。